京都市  平成15年 11月 定例会(第4回)  11月21日-03号

○副議長(谷口弘昌) 休憩前の一般質問を継続致します。
 次に,市政一般について,山岸たかゆき議員に発言を許します。山岸議員。
 〔山岸たかゆき議員登壇(拍手)〕

◆(山岸たかゆき議員) 皆さんこんにちは。まず冒頭に,この度の衆議院議員選挙において我が民主党に対し市民の皆さんの力強い御支援を賜り大きく躍進させていただきましたことを心より御礼申し上げます。改めまして,私は先の統一地方選挙で伏見区から初めて選出いただきました民主党の山岸たかゆきでございます。その際に多くの皆さんの御支援をいただきました。この場を借りて心より御礼申し上げます。今後,当選させていただいたときの初心を忘れず,常に市民の皆さんの目線に立って議員活動を続けて参りたいと考えておりますのでどうぞよろしくお願い致します。本日,民主・都みらい京都市会議員団を代表して桝本市長をはじめ理事者の皆様に今回初めて質問させていただきます。是非誠意のある御答弁を賜りますことをよろしくお願い致します。
 まず自治体大競争時代における今後の市民サービスの在り方と組織の在り方についてです。日本は今,急速なグローバル化,国際化の中で大競争時代の荒波にさらされています。例えば金融機関も今やムーディーズなどの格付会社により格付けされ一般の預金者もそれを参考にするようになる中,外国資本も参入し合併,分社化,サービス合戦を繰り広げています。最近は病院ですらサービスが良い病院かどうかが本になり,利用者から厳しく選別される時代になってきました。一方,地方自治体も今後地方分権が一層進み,権限と財源が中央から移譲されることで地方自治体それぞれの力量が問われます。財政状況,住民サービスも良い自治体とそうでない自治体とに分かれ格差が生じる時代に入ってきたのではないでしょうか。平成の大合併ということで現在様々な地方自治体で合併問題が話し合われています。その際,自治体間で住民サービスの内容の違いが明らかとなり,住民の皆さんはその点に非常に敏感になっておられます。私の地元伏見区の方々は他の自治体から引越してこられた方々が多く,京都市へ御要望がある場合,他の自治体の住民サービスを引き合いに出されるケースがしばしばある状況です。以上から私は今後地方自治体が住民の皆さんから選ばれる自治体大競争時代がやってくるのではないかと思っています。
 振り返って京都市の状況を見てみますと,まず財政状況は大変厳しいものがあります。長く不況が続いたために義務的経費が自主財源を上回り硬直化した財政構造になり,重要な新規事業を行おうとしても市債の発行が必要な状況です。そうした中,平成13年10月に財政非常事態宣言が出され,向こう2年間の予算編成で新規施設建設の原則凍結,職員の給与カットなどの措置が講じられました。来年度予算編成に向け行政評価システムを活用しながら新たに戦略的予算編成システムが導入され,次年度の歳入を見通しその範囲内で政策重点化枠と局配分枠が決定されることとなりました。しかし,そうした中にあっても桝本市長は,就任以来,信頼とパートナーシップの市政を市政運営の基本方針に掲げられ,市民の市政参加と市民による自主的なまちづくりを進めてこられました。平成13年12月に京都市市民参加推進計画が策定され着実に施策の推進が図られています。更に本年の5月市会定例会で京都市市民参加推進条例が可決されたのは記憶に新しいところです。また京都市行政区制度検討調査会では,本年7月に中間報告を取りまとめ市民サービスの一層の充実に向けて新しい区役所の在り方等が検討されているところです。そこで桝本市長にお伺いします。市民とのパートナーシップ,市民サービスを大切にされる市政の方向性の一方,財政事情が大変厳しい現状,そして自治体大競争時代がやってくることが予想されることを踏まえ,市民の皆さんから選ばれるサービスの在り方,そしてそれを裏付ける組織の在り方をどのようにお考えなのかお伺いします。
 次は京都市における文化遺産の公開と公開情報の定期的な発信についてです。9月13日から11月16日の65日間,二条城築城400年祭が行われました。期間中,対前年比約1.7倍の46万3,000人の入城者数があり大変盛況であったと伺っています。私も9月13日の式典の際,見学させていただきました。今回は通常時公開の二の丸御殿と二の丸庭園のみならず,築城400年祭に合わせ東大手門の特別初公開などもありました。この催しを通じ,今回特別公開されたものを含め様々な文化遺産をできるだけ一般の方々に見ていただくのは非常に大切なことであると感じた次第です。
 ところで,京都の魅力は何といっても1200年余りの歴史の中ではぐくまれてきた日本の心のふるさととも言える文化にあります。その中で生み出された数々の文化遺産が京都市には数多くあります。例えば平成15年4月1日現在の有形文化財の国宝は全国で1,063件あり,うち京都市は210件,19.8パーセントです。重要文化財は全国で1万2,306件あり,うち京都市は1,757件,14.3パーセントです。これだけの文化遺産がある都市は全国でここ京都市だけです。京都市におかれては,京都市観光振興推進計画,おこしやすプラン21に基づき観光客5,000万人の実現に向けて京都・花灯路事業など新しい観光資源の創出や地域の個性豊かな名所旧跡を紹介する界わい観光案内システムの開発,修学旅行生が快適に京都観光を楽しめる修学旅行ガイドブックの発行,市民のおもてなし機運を高めるおこしやす京都委員会による観光PR活動など多彩な活動に取り組んでおられます。そうした活動も重要ですが,それに加えて京都の魅力ともなっている文化遺産を活用していくことも国内外の人々に京都をPRし,観光客5,000万人の実現に大いに寄与すると考えます。つまり京都市に文化遺産が数多くあるだけでは不十分で,それを一般の人々に公開することが重要なのではないでしょうか。もし余り公開されていない文化遺産があれば所有者や管理者の御協力を求めて公開に努めることも大切ではないかと思います。更に文化遺産がいつ公開されるのかについての情報をしっかり把握し発信することも重要ではないかと思います。ちなみに京都市にある国宝のうち絵画44件についてその公開状況を調べてみますと,所有者で公開が14件,寄託先の国立博物館で公開が27件,その他として臨時的に公開されるが3件とのことです。これまでは所有者や管理者が個々に情報発信していたためまとまった形での公開情報の把握がなされていませんでした。今後は公開情報を一括管理し定期的に情報発信すれば,より多くの人々が京都を訪れることにつながるのではないかと思います。そこで桝本市長にお伺いします。京都市にある文化遺産,特に国宝,重要文化財を所有者や管理者の御協力の下公開すること,更には公開情報を一括管理し定期的に情報発信することについてのお考えをお伺いします。
 次は私の地元伏見桃山城キャッスルランド跡地活用と伏見桃山城の活用策についてです。そもそも伏見桃山城キャッスルランド跡地活用については,本年1月6日の桝本市長の年頭記者会見で,伏見区の横大路運動公園の一部に京都パープルサンガの専用スタジアムを建設し,伏見桃山城キャッスルランド跡地をその代替施設も兼ねた運動公園にする構想について発表されたことに端を発しています。その後,担当局の重要事務事業として本年度300万円の予算で検討されてきたところです。そしてこの11月市会定例会では,運動公園として整備するための実施設計等に係る経費として4,500万円が提案されました。この件については京都市民,中でも伏見区の皆さんが大いに関心を寄せておられるところです。そこで桝本市長にお伺いします。今後どのようなスケジュールでどういった内容のものを考えておられるのかお伺いします。なお検討するに当たっての三つの基本的考え方をお聞きしています。すなわち,1.市民のスポーツニーズを生かした施設整備とする,2.伏見桃山城との景観等の整合性のあるものとする,3.北側に隣接する伏見北堀公園との一体性を考慮するというものです。これらを踏まえての御答弁をよろしくお願い致します。
 次に伏見桃山城の活用策についてです。御承知のとおり本年1月末で伏見桃山城キャッスルランドが廃園となり遊戯施設と共にお城も解体撤去される方針でしたが,地元の方々の天守閣存続を求める強い声を受けて近鉄から京都市へ無償譲渡されることになりました。その後,京都市,地元団体でその活用策について検討がなされました。その結果,地域内外から集客できる観光資源となるには多大な投資が必要であり現状のままでは観光資源とはなり得ないが,地元の方々にとって愛着がありランドマークとしてのライトアップや広場としての利用にはふさわしいとの結論に達したと伺っています。厳しい経済状況の下では仕方のない結論だと思います。しかし伏見桃山城は,京都の中心で花開いた伝統的な文化とは異なり異国情緒漂う絢爛豪華な安土桃山文化の中心地です。更に,お城が栄えたころは安土桃山時代の絶頂期に当たっておりテレビ,映画,本のテーマとしてこれまでに何度も採り上げられています。お城自体は昭和39年に建てられたもので文化遺産としての価値はありませんが文化観光資源としての価値は十分にあると思います。そこで私からの要望ですが,いつか経済状況が好転し京都市にも余力が出てきたときには大きな可能性を秘めている伏見桃山城の復興に対する御支援をよろしくお願い致します。
 また伏見桃山城は桜の名所として市民の皆さんに親しまれてきました。ところで,先ほど申し上げたお城の活用策の結論にあるように広場として利用する場合,私から一つ提案があります。1622年の廃城後,付近に桃が植えられ桃山の名前の由来となったことにちなんで,お城の付近に桃を植え桃で有名な桃山として市民の皆さんのみならず一般の方々にも親しまれる名所にしてはどうでしょうか。その際,桃の植樹運動を起こして市民の皆さんと共にお城に桃を植えていくことも一法ではないかと思います。この件についてのお考えをお伺いします。
 次はグリーン配送モデル事業についてです。京都市は,地球温暖化防止京都会議COP3の開催都市として京都議定書の目標達成に貢献できるよう国の目標より厳しい目標,すなわち二酸化炭素排出量及び温室効果ガスの合計の排出量を2010年までに基準年1990年レベルの90パーセントに抑制することを京都市地球温暖化対策地域推進計画の中に明記し取り組んでこられました。ところで温室効果ガスの主なものである二酸化炭素の排出予測を見てみますと,新たな対策を講じない場合,全体で基準年の18パーセントの増加となり目標達成には一層の対策が必要となっています。特に増加の主な原因は運輸部門と民生部門であり,中でも39パーセントと増加が著しい運輸部門の対策が急務です。そのためには市民,事業者,京都市がそれぞれ役割を担うとともに協働して具体的な取組を進めることが大切です。京都市の取組としては低公害車,低燃費車の購入,導入,歩くまちの歩行空間の形成推進,自転車利用環境の整備,バス輸送サービスの充実等公共交通機関の利用促進,交通需要管理施策TDM施策の導入と推進,軽量軌道公共交通機関,LRT等の検討,地下鉄延長事業,鉄道の複線化,高架化の推進,交通流の円滑化の推進,アイドリングストップの普及が挙げられます。そうした中,担当局の重要事務事業として本年度300万円の予算で新たにグリーン配送モデル事業を検討されると伺っています。グリーン配送とは,行政と事業者のパートナーシップの下,物品等を配送する際にアイドリングストップなど環境に配慮した運転エコドライブを実行したり,低公害車を使用するなど環境に優しい配送を実践することです。そこで質問させていただきます。グリーン配送モデル事業の検討状況と今後この事業をどのように展開されるのかお伺いします。また,この事業をきっかけに京都市において低公害車の購入,導入,廃食用油を回収したバイオディーゼル燃料化事業が一層推進されるべきではないかと思いますが,それについてどのようにお考えか併せてお伺いします。
 次は国語と英語の充実についてです。バブル崩壊後,日本は長期の不況に陥り,経済がおかしくなるばかりか社会もおかしくなってきたと感じる人々が多いのではないでしょうか。日本が今後も繁栄し続けるために,私は将来を担う子供たちの教育が最も大切な取組の一つであると思います。先日の11月1日,NHK特集,学校は変われるか第2回討論学力NO1に学べで京都市の取組が採り上げられ高い評価を受けていました。関係各位の御努力に敬意を表します。今後とも一人一人の子供を徹底して大切にする教育の充実に向け御尽力いただけたらと思います。さて,私は常々教育の中で充実すべきは国語と英語ではないかと考えています。なぜなら国語は個人の人格形成の基盤となっており社会生活の中でのコミュニケーション,すなわち読む,書く,話す,聞くのすべてにかかわっているだけでなくあらゆる教科学問の基盤になっているからです。例えば算数や理科の問題を解くためにはまずその問題を国語で理解しなければいけません。また英語は母語の異なる人々の間をつなぐ国際的共通語として中心的な役割を果たしています。子供たちが21世紀を生き抜くためには国際共通語として英語のコミュニケーション能力を身に付けることが不可欠だからです。特に外国から大勢の観光客が訪れる京都にとってはまちのイメージアップ,ひいてはまちの発展にも貢献するからです。国語と英語が大切であることは国でも認識しており,本年3月31日,文部科学省で英語が使える日本人の育成のための行動計画が策定されました。その内容を簡単に御紹介すると,英語によるコミュニケーション能力育成のためには,まず国語力の向上が大切であるとしつつ,平成20年度を目標に中学,高校を卒業したら英語でコミュニケーションができる,大学を卒業したら仕事で英語が使えるというものです。ちなみに私は英語が片言しか話せず生活の中で自由に英語が話せたらすばらしいのになと思う次第です。
 ところで京都市では,国語力向上のため読む能力の向上に力を入れておられます。朝の10分間読書,読書マラソンなどの取組を小学校のほぼ全校で行うほか実践モデル校の指定,国基準を超える司書教諭発令,学校図書費の大幅増額などを推進してこられました。また文部科学省の国語力向上モデル学校として市内四つの小中学校を設置し,現在取組を進めておられます。小学校では話す・聞くにおいて1分間スピーチ,積極的な傾聴の訓練,聞き方名人・話し方名人の掲示による意欲喚起,書くにおいてミニ作文を書き読み合う,日記指導,新聞を活用した書く訓練が行われています。また中学校では話す,聞くにおいて同じテーマで数人が発表するリレースピーチ,聞き取りやすい速さの学習,パネルディスカッションやディベート,書くにおいて新聞情報作文が行われています。また英語力向上に向け特に小学校での英語活動の取組に力を入れておられます。例えば生徒が英語に慣れ親しむきっかけづくりにと,きょうと英語フロンティアキッズを平成11年度から全国で初めて全校実施する一方,外国人指導員の配置や英語指導の充実に取り組まれています。そこで質問させていただきます。国語においてはこれまでの京都市における取組,更には四つの国語力向上モデル学校の取組を踏まえ,今後全校でどのような国語力向上の取組を考えておられるのかお伺いします。また英語においては現在も先進的な取組をしておられますが,京都にとって特に英語力が求められる背景を踏まえ今後小学校も含めてどのような英語力向上の取組を考えておられるのかお伺いします。
 次は小中学校の連携についてです。最近地方分権,規制緩和の流れの中で教育の分野でも各自治体が創意工夫して取り組める場面が多くなりました。京都市においては,その一つが西京高校附属中学校の中高一貫教育で来年4月スタートとなります。そうした中高連携の動きがある一方で小学校と中学校がお互い垣根を越えて学習や生活指導面で9年間継続して子供を育成していく,いわゆる小中連携の動きも出てきています。全国的な事例を幾つか見てみますと,和歌山県のある学校では,小中9箇年を小1から小4の前期,小5から中3の後期に分け,生きる力を身に付けるための基礎的教科,スキル学習と一人一人の興味,関心や特性などに応じて開設する学校設定学習及び選択学習を中心に教育課程を編成し,小学校と中学校の連続性を強める取組を行っています。近い所では京都教育大学附属小中学校で,小中学校が連携して9年間一貫の教育課程を編成実施しています。すなわち,算数,数学と理科を統合し自然科学への興味関心を深めるサイエンス教科,国語と英語を統合し海外でのディスカッション能力,プレゼンテーション能力を高めるランゲージ教科といった新教科の開発や,小学校4年生ごろから子供の心身の発達に大きな変化が見られることや小6と中1をまとめ小中の接続を容易にし得る見通しが立つことなどから9年間を4・3・2に区分し,指導方法も区分に応じて工夫するなどの研究がなされています。一方,京都市における幾つかの事例を見ていきますと,国語,数学,算数,英語等について小4から中3までの基礎学力の定着についての小中連携した研究,更には問題行動,いじめ,不登校,人権学習等の共通理解について小中連携した研究等を行っている学校,小学校の教員が中学校に異動する一方,中学校の教員が小学校と兼務で授業を行う学校が出てきています。そこで質問させていただきます。全国における事例や京都市の事例をどのように受け止められ,今後小中連携にどのように対応されるのかお伺いします。
 最後は地元の京阪桃山南口駅の駐輪場対策等についてです。京阪宇治線の桃山南口駅は,北を外環状線,南を山科川に挟まれた位置にあります。現在,駅の北側に京阪電鉄の御協力でこの7月リニューアルオープンした137台の有料駐輪場があります。しかし駅周辺に駐輪している自転車,バイクは400台にも上ぼり,その大半は山科川に架かる丹後橋を挟んで西側の堤防上やその裾野に駐輪されています。確かに駅の北側に駐輪場があるとはいえ,その収容台数をはるかに上回る駐輪台数であること,山科川の堤防上にまで駐輪されていることで国土交通省による河川管理に支障を来すことにもなりかねない状況です。よって桃山南口駅の周辺に早急に追加の駐輪場を設置することが望まれますが,駅周辺には適当なスペースがありません。駐輪場を設置するとすれば山科川の堤防の裾野を利用することしか考えられません。また丹後橋を挟んで東側の堤防には,地域団体の桃山南を美しくする会が国土交通省の堤防整備に合わせて種まきを行い花畑として一部整備されており,以前から堤防を憩いの場にしようという地元の方々の思いもあります。以上から堤防の裾野に駐輪場,そして地元の皆さんのための公園が整備され,更に国土交通省の河川管理の問題も解消されるなら正に一石三鳥にもなる解決策と考えます。現在,国土交通省で桃山南地域の駐輪場対策について御検討いただいているという話も伺っています。そこで質問させていただきます。京都市におかれては,桃山南口駅の駐輪場問題解決のための御支援と設置が実現した際の駐輪場運営のバックアップをよろしくお願い致します。この件についてのお考えをお伺いします。加えて京阪宇治線沿線,例えば中書島,観月橋,六地蔵駅の駐輪場も見させていただきましたが必ずしも十分でない面があります。特に六地蔵駅については来年に地下鉄開業を控えています。今後の整備計画についての考え方を併せてお伺い致します。以上よろしくお願いします。御清聴ありがとうございました。(拍手)

○副議長(谷口弘昌) 桝本市長。
 〔桝本市長登壇〕

◎市長(桝本頼兼) 山岸たかゆき議員の御質問にお答え致します。
 初めに市民サービスの充実に向けた区役所の在り方等についてでございます。私は,市長就任以来,市民生活の大抵のことに対応できる区役所を目指して福祉事務所,保健所を移管するなどいわゆる大区役所制を推進して参りました。山岸たかゆき議員御指摘のとおり今日の地方分権社会における自治体は,市民ニーズを的確に把握し地域の特性に応じた政策や施策を確実に実行していくことが求められております。こうした近年の社会状況の変化を踏まえ,現在行政区制度検討調査会においてより一層のサービスの向上,パートナーシップ型市政と各区基本計画の推進,より一層の行財政運営の効率化の三つの視点から行政区の将来像や区役所の在り方についての検討を行っているところであり,本年度末には最終報告をいただく予定となっております。私と致しましては,区役所がこれまでのような全市的に均一横並びだけではなく,各区の個性や特徴,魅力に応じたまちづくりやサービスの推進をしていくことが必要であると考えており,行政区の実情に応じた組織構成や体制の整備も含めて新しい時代にふさわしい区役所を実現して参りたいと考えております。更に区役所だけでなく市役所全体において市民の目線に立った高品質で満足度の高い市民サービスを提供することが自治体の最も重要な責務であり,大競争時代に勝ち抜くことにもつながるものと確信致しております。このため平成13年度から,すべての職場においてプラス思考で積極果敢に市民サービスの向上のための改革改善を行うプラスアクション21の取組を進めており,これまで窓口サービスのアンケート調査の実施や電話での応対についても明るく元気に丁寧にを心掛けるなど様々な取組を実施して参りました。私も大変多くの方々とお会いする機会がございますが,その際こうした様々な取組によりまして,もちろんお叱りを受けることも多々ございますが最近区役所をはじめ市役所職員の応対が良くなったというお褒めの言葉もしばしば頂だいするようになってきており大変うれしく思っている次第でございます。しかし,こういうことに満足することなく,今後ともプラスアクション21の取組をはじめとした市民サービス向上の取組を更に強化して参りたいと考えております。
 次に文化財の公開とその情報発信についてお答え致します。京都市は,その質量共に先生おっしゃるとおり我が国を代表する国宝,重要文化財の宝庫であり,本年6月には京都創生懇談会から日本の宝として守りはぐくみ未来に伝えることの大切さを御提言いただいたところでございます。この貴重な国民的財産である文化財を保存し,日本文化の真髄に我々が触れることのできる機会を創出することは極めて重要な課題であると認識致しております。現在,京都市文化観光資源保護財団などの文化財保護団体の御協力をいただいて国宝,重要文化財の公開が幅広く行われておりますが,今後一層促進されるよう努めて参りたいと存じております。また山岸議員御指摘のように,より効果的に世界に誇る京都ならではの豊富な文化の魅力を発信していくため,これらの諸団体や社寺など文化財所有者が参画し,京都市内に事務局があります全国国宝重要文化財所有者連盟などの文化財関係団体で広く情報交換を行い,きめ細かな情報収集と更にその発信に努めて参りたいと考えております。
 次に桃山城キャッスルランド跡地の整備計画についてでございますが,本計画は地元からの御要望を受け桃山城を残し市民に愛される公園とするとともに,サッカースタジアムの用地として活用する横大路運動公園の代替施設として整備していこうというものでございます。整備に当たりましては,伏見桃山城や伏見北堀公園などその立地条件を生かしたものにすること,市民ニーズに合った施設とすることなどを基本的な考え方と致し,現在基本構想の策定に向けて取組を進めております。今後のスケジュールでございます。本市会に補正予算を御審議いただいておりますが,現地の測量調査を行い,どのような規模の施設整備が可能となるかなど具体的な検討を加え基本計画を策定して参ります。更にこれを基にスポーツ関係者をはじめ地元の皆様の御意見もお伺いし,その後,実施設計等を行いまして平成18年度末の完成を目指して事業を推進して参ります。
 次に桃山城周辺への桃の植樹についてでございますが,先ほども申し上げましたとおり,現在この運動公園の基本構想の策定に向けまして取組を進めているところでございます。その本体となるスポーツ施設の規模などが定まっておりません。このため現段階では植樹等に関する検討まで至っておりませんけれども,大変楽しい地元に密着した興味深い御提案であり,桃の木の植樹という点も踏まえ市民の皆様に親しまれる緑を作って参りたいと考えております。
 以下,副市長及び教育長が御答弁申し上げます。

○副議長(谷口弘昌) 河内副市長。
 〔河内副市長登壇〕

◎副市長(河内隆) 私からは京阪宇治線沿線における駐輪場対策についての御質問にお答え致します。本市における放置自転車等対策につきましては,平成12年3月に策定致しました京都市自転車総合計画に基づき自転車利用環境の整備とマナー,ルールの確立を両輪として取組を進めているところでございます。京阪桃山南口駅周辺につきましては,民間の駐輪場が設置されておりますものの収容台数をはるかに超える多くの自転車等が山科川河川敷内に放置されており,本市と致しましても新たな駐輪場設置の必要性を認識致しております。現在,山科川の河川管理者である国土交通省が河川敷での駐輪対策を検討しており,本市と致しましても国にこの駐輪場の早期設置を要望致しますとともに設置に向けた課題解決のため努力して参ります。また京阪六地蔵駅周辺につきましても,本市が設置した無料自転車駐車場に入り切れない多くの自転車等が道路上や河川敷にあふれております。今後,関係者と精力的に協議致しまして収容台数の増加を含めた自転車駐車場の再整備を図って参ります。以上でございます。

○副議長(谷口弘昌) 松井副市長。
 〔松井副市長登壇〕

◎副市長(松井珍男子) 私からは環境に配慮した貨物輸送に取り組むグリーン配送モデル事業についてお答え申し上げます。自動車の排ガスは,地域レベルでは二酸化炭素などによる大気汚染の原因となり,地球レベルでは二酸化炭素による地球温暖化の大きな原因となっていることから輸送部門での排ガス対策が緊喫の課題となっております。そこで商業業務機能が集積する市内中心部,およそ堀川通り以東河原町以西,それから南北は丸太町と五条間,この中心部において事業者と本市で構成するグリーン配送モデル事業推進協議会,仮称でございますが,これを近く設立し御指摘のエコドライブの推進をはじめ貨物輸送の効率化や低公害車の普及などに共同で取り組むことにより都心部における交通環境の改善を図り,地球温暖化の防止を目指すとともに事業活動の活性化にもつなげて参りたいと考えております。またバイオディーゼル燃料化事業では,現在114学区818拠点で市民の皆様により使用済みの天ぷら油の回収をしていただいておりますが,この取組の輪を更に広げて参りたいと思っています。また市バスや公用車に低公害車を率先して導入していくとともに,中小事業者における低公害車の導入を一層促進させることなどにより,市民,事業者,行政が一体となって自動車による環境への影響がより少ない環境共生型都市京都の実現を目指して参ります。以上でございます。

○副議長(谷口弘昌) 門川教育長。
 〔門川教育長登壇〕

◎教育長(門川大作) まず国語力及び英語力の向上についてでありますが,議員御指摘のとおり,あらゆる学習の基盤となる国語力と国際的共通語としての英語力の向上は,どちらも次代を担う子供たちのコミュニケーション能力を育成するうえで極めて重要であります。国語につきましては,教科の学習の充実はもとより,すべての学校で朝読書や1分間スピーチなどの取組を積極的に進めております。更に国語力向上モデル校では,総合的な学習の時間や他の教科等の学習と関連付けた取組など学校教育活動全体で国語力を向上させる研究に積極的に取り組んでいるところであります。今後は,これらの実践研究の成果を全市に発信し,すべての学校における更なる国語教育の充実に努めて参ります。また英語につきましては,国の5箇年計画を3年に前倒しし,本市独自の充実策を加えた集中研修を実施し,英語科教員の指導力を飛躍的に向上させるとともに,本年7月に設置し,現在,現場に根差し京都ならではの論議を進めている本市の英語教育推進プロジェクトチームの検討結果も踏まえ,実践的なコミュニケーション能力を核とした小学校,中学校,高等学校を通しての英語教育の更なる充実に努めて参ります。
 次に小中学校の連携についてでありますが,義務教育の9年間を見通して子供たちの豊かな学びと育ちを実現していくうえで,その推進は議員御指摘のとおり極めて重要であります。このため本市では,小学校と中学校が子供たちの課題や地域の特色を共有しながら教育活動に連続性を持たせるため,教科指導や生徒指導の合同研修会,中学校の教員が小学校で算数などの授業や部活動の指導を行うなど中学校区ごとに創意ある取組を展開しております。また議員御指摘の事例は,学級担任制から教科担任制に変わるなど小学生にとっては未知の世界である中学校生活への不安を払拭するとともに,基礎基本の確実な定着と発展的な学習の充実を図るうえで効果的な取組になると認識致しております。今後ともこうした先行的な事例の意義を踏まえ,学校裁量の拡大を図りつつ小学校と中学校の枠を超えた人事交流の一層の推進や教科,領域等の特色を生かしまして9年間のカリキュラムの作成に取り組むなど学校の創意工夫を生かした取組を更に支援して参りたいと考えております。以上です。