京都市 平成26年 11月 定例会(第2回) 11月28日-03号 ○議長(中村三之助) 次に,市政一般について,山岸たかゆき議員に発言を許します。山岸議員。 〔山岸たかゆき議員登壇(拍手)〕
◆(山岸たかゆき議員) こんにちは。伏見区選出の山岸たかゆきです。民主・都みらい京都市会議員団を代表し,後の松下真蔵議員と共に市政一般について質問します。どうぞよろしくお願いします。 先日,議員団全員で合計113項目にわたる来年度の京都市予算編成に対する要望書を門川市長に提出しました。特に新規項目として福祉,教育分野を充実させ,来年4月の統一地方選挙のマニフェストも盛り込みました。門川市長におかれては,できる限りの予算への反映をよろしくお願いします。 さて,本市の向こう10年間の基本計画「はばたけ未来へ!京プラン」が策定されて間もなく4年となります。キーワードは市民の市政への参加と協働,門川市長がモットーとされる共に汗する共汗に相通ずるものですが,その核となるのが地域コミュニティの活性化であると考えます。以下,それに関連して3点質問します。 まずは,伏見桃山城の今後の在り方についてです。伏見の歴史と言えば,酒づくり,寺田屋や坂本龍馬といった幕末の歴史が想起されます。しかし,伏見のまちには豊臣秀吉と徳川家康が天下を治めたかつての伏見城を中心とする城下町という大変重要な歴史もあり,それを切り口に伏見のまちを今後更に活性化できるのではと私は常々考えておりました。そのためには,城下町伏見の歴史の中心であり伏見のシンボルである伏見桃山城をいかすことが必要不可欠です。近鉄から無償譲渡された後,耐震強度不足等により天守閣への立入りは禁止され,いまだ有効な活用策が見つかっておりません。 私は,昨年築城50周年を迎える伏見桃山城について代表質問したことを実行に移すべく,城下町伏見の歴史を広報しお城の今後を考えるきっかけを市民に提供しようと,この間市民有志と共にできることを実践してきました。まずは今年3月末完成の伏見・お城マップの取組です。かつての伏見城を中心とした城下町伏見の歴史や史跡を知り,楽しく散策していただく目的で作成しました。(パネルを示す)これがマップでございます。こちらが表紙で,伏見城にまつわるこぼれ話も掲載し,伏見桃山城の年表というのも分かりやすくまとめさせていただきました。それから,こちらがマップの本体でございますけれども,皆さん見えるかどうか分からないですが,かつての伏見城や城下町伏見の歴史を分かっていただこうと,そういうことをマップの中に掲載をいたしました。それと散策コースを定め,歴史や史跡を楽しく巡っていただく,こういうようなマップを作って配付をさせていただきました。伏見区役所の区民によるまちづくり支援活動「伏見をさかなにざっくばらん」,愛称ふしざくの取組を活用し,ふしざく参加の皆さん等に呼び掛け,チーム「お城マップ」を結成,当初は数名程度だったのが最終的には30名を超える市民の賛同と協力を得ることができました。ちなみに今後は,子供向けのマップを作成する予定です。 また,桜や桃が咲く4月6日,語呂合わせで「シロの日」にちなみプチ花見を企画,5月6日には,伏見・お城マップウォーキングを実施し150名の参加がありました。現在大河ドラマ「軍師官兵衛」の放映中ですが,9月3日,京都市の御協力で,酒どころ伏見にふさわしい「酒は飲め飲め飲むならば」で有名な「黒田節」誕生の地の駒札も建立しました。そして,取組の総仕上げに,9月7日,伏見桃山城周辺で伏見・お城まつりを開催しました。(パネルを示す)これがそのチラシでございますけれども,公共施設とか,それからお店,そして駅にもこれを置いていただき,そして商店街などでチラシを配付して,できるだけ多くの皆さんに参加をしていただくように呼び掛けさせていただきました。当日は大天守閣1階フロアの一部使用が認められたため,復元された黄金の茶室の公開やキャッスルランド時代の写真展,伏見城の各種歴史資料や金箔瓦など発掘品の展示,琴の演奏やお茶席などを催しました。一方,お城前広場では,太鼓演奏,殺陣のショー,伝統芸能,御当地ゆるキャラの競演,子供向け参加型ゲーム,ジャズ演奏,小学生写生教室など多彩な催しを実施しました。チームお城マップのメンバーを中心に実行委員会を立ち上げ,伏見区役所地域力推進室,文化市民局市民スポーツ振興室にも御協力いただきました。準備期間が5月のウォーキング終了後3箇月余りと短いうえに予算も非常に制約され,残暑厳しい中で提供する飲食物も制限されるなど様々な困難を伴いました。しかし,メンバー全員が一致団結して準備を進めた結果,動員目標1,000名をはるかに上回る約5,000名の方々に参加していただきました。また,門川市長にオープニングから御出席いただき,御挨拶していただくサプライズもありました。そこで,門川市長に伏見・お城まつりに参加された御感想をお伺いします。 この祭りは単に伏見桃山城築城50周年を祝うだけでなく,参加者の皆さんにお城の今後を考えるきっかけにと開催したことからアンケートを実施,530名の皆さんに御協力いただきました。それによると,当日は伏見区のほか伏見区以外の京都市内や市外からの参加が3割以上ありました。また,お祭りにはおおむね満足,中でも大天守閣1階フロアの公開に満足の方が8割以上ありました。そして,お城の今後の在り方については,補修して活用すべきと回答した方が実に9割近くあったことは大変心強く感じた次第です。ただ参加者が多く,お城へ続く道路で車の大渋滞が起こった点は今後の課題です。 以上,この1年間の数々の取組で実に多くの皆様に御協力いただきました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。 平成15年1月末にキャッスルランドが閉園となり,近鉄から本市に無償譲渡された伏見桃山城。そのときから市民のお城となりました。天守閣を備えたお城は市内にはここしかありません。政令市でお城を所有しているところは様々な工夫をしながら維持管理に力を入れていますし,静岡市では駿府城天守閣の再建に数十億の予算を投じることが議論されています。伏見桃山城は補修が必要とはいえ既に存在しています。これを活用して伏見のまちの活性化に役立てていくべきではないでしょうか。市長の御所見をお伺いします。その際,これまでの担当部局内での検討ではなく,全庁的に,しかも広く市民に呼び掛けて伏見桃山城の有効活用を検討する機関を設置し,それを担うにふさわしい部局を再度検討すべきと考えますがいかがですか。 次に,市営住宅における地域コミュニティの活性化について質問します。本市の管理する市営住宅は,現在99団地,678棟,2万3,526戸あり,都心部周辺に位置する行政区への立地割合が高く,特に私の地元伏見区では全戸数の50パーセントを占めています。ここ10年間の入居状況の推移のうち入居者に占める65歳以上の割合は22.6パーセントから36.4パーセントと1.5倍以上となる一方,入居者に占める16歳未満の割合は15.7パーセントから11.5パーセントと3割近く落ち込んでいる状況です。本市平均のそれぞれ26.0パーセント,13.1パーセントと比較してもかなり進行しています。どの地域でも問題の少子高齢化が市営住宅において深刻な形で数値に表れています。それが自治会等の担い手不足を引き起こし,地域のきずなも弱まり,地域コミュニティの活性化に影響を及ぼしている状況です。この問題に対応し,市営住宅を持続可能で活気あるまちに再生するには,次の三つの取組が必要です。一つ目は,住環境が整備されていること。老朽化に対応した改善事業の着実な実施が基本となります。二つ目は,コミュニティバランスが取れていること。そして三つ目が地域コミュニティの活性化です。本市も現行の住宅マスタープランにおいて,コミュニティバランスに配慮,内外との交流や地域コミュニティ活性化機能の充実の方向性等が示され,その下での市営住宅ストック総合活用計画において団地再生計画を策定し,上述の課題に対応するとなっています。 これまでの取組状況ですが,住環境の整備については,建替えから既存住宅の活用に大きく方針転換し,厳しい財政状況の中で優先順位を付けながら進めている状況です。また,コミュニティバランスについては,平成20年度から,それまでの一人親世帯優先入居に加え子育て世帯優先入居の公募により,これまで合計約100戸公募した実績があります。地域コミュニティの活性化については,団地の集会所等を活用し,高齢者の集いの場の提供等は行われていました。そこへ平成24年度の地域コミュニティ活性化推進条例の施行に伴い,同年8月,市営住宅における自治会活動等に関する調査が実施され,それが先日の本市,京都橘大学及び醍醐中山団地町内連合会の地域連携事業に係る協定締結となって実を結びました。このように地域コミュニティの活性化に向けてようやくその第一歩が踏み出された状況です。 本市の取組は始まったばかりですが,住民が懸命に取り組んでいる事例も御紹介します。私の地元伏見区の向島ニュータウンでは,平成17年の向島駅前地域の空き地活用問題をきっかけに向島駅前まちづくり協議会が結成され,向島駅前まちづくり憲章が制定されました。その後,住みよい向島を共につくる一環として,住民の手づくりで当初は春,近年は秋の祭典が毎年開催されています。平成26年3月には,区役所予算を活用して第1回向島ニュータウン駅前健康福祉のまちづくりアンケート調査結果報告書がまとまり,課題に挙がった地域包括ケアが検討されていると伺っています。また,平成25年1月にオープンの京都文教マイタウン向島,愛称マイタウンMJは,商店街の空き店舗を活用して京都文教大学,京都市住宅供給公社,地域住民から成る運営団体により子供からお年寄りまで幅広く交流できる向島地域の新たなまちづくり拠点となっています。 ところで,約2年前,私は,主に再生可能エネルギーをテーマに京都市会海外行政調査団の団長としてドイツとスペインを訪問しました。その際,両国の調査先で社会的弱者に救いの手を差し伸べようと市営住宅の整備に力を注いでいるのが印象に残りました。そこでは省エネ改修を積極的に実施し,入居者の光熱費負担の軽減に努め,住環境を常に良好に保つことで治安対策も行い,それよって周辺地価が高く保たれ,税収へ良い影響をもたらしていると現地でお聞きして大変感銘を受けました。 そこで,どの地域でも大きな問題となっている地域コミュニティの活性化について,本市が住宅政策に直接関わる市営住宅において積極的に取り組み,懸命に頑張っている地域には十分な支援をお願いします。ここで本市のモデル事例ができれば他の地域に広がり,結果として本市の地域コミュニティ全体の活性化につながると考えます。住宅マスタープランも今年度末で計画期間の折返しに差し掛かり,来年度には中間見直しが完了する予定と伺っています。是非この機会を捉え,市営住宅における地域コミュニティのより一層の活性化に向け全力で取り組んでいただきたいと考えますがいかがですか。 最後に,自主防災会の災害対応力の向上と本市の指導力強化について質問します。近年日本において東日本大震災以降ほぼ毎年のようにどこかの地域で大規模な震災や水害,土砂災害などの自然災害が発生しています。本市においても昨年9月15,16日に掛けて台風18号が市内各地を襲い,幸い死者はなかったものの,広範囲で甚大な人的,物的被害をもたらしました。本市はこれらの自然災害を教訓に,その都度災害対策の総括を行い,将来起こり得る災害に備えています。その中で昨年の台風18号では,公助のみならず,共助,すなわち地域の災害対応力の重要性が改めて認識され,被害の減少につながっていることが特記されました。国においても,昨年12月,消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が施行され,地域の災害対応力の充実強化が規定されました。特に中核的な役割を担う消防団については抜本的強化を目指し,加入促進のほか処遇や装備,教育訓練の改善等がうたわれています。本市においても消防団の強化は重要な課題であり,消防団員の社会的背景も考慮しながら,今後ともその強化に取り組んでいただきたいと思います。 消防団のほか地域の災害対応力の主な担い手として,地域住民自らが防災活動に取り組む自主防災組織があります。本年9月30日現在で,学区単位の自主防災会が227組織,町内会単位の自主防災部が6,311組織です。これまで本市では自主防災部で災害時の防災行動をまとめた防災行動計画づくりが進められてきましたが,避難所の開設,運営など学区単位で行動する必要性に鑑み,現在,自主防災会ごとの防災行動マニュアルの検討が進められています。その際,各自主防災会が現段階の災害対応力を客観的に認識でき,そこを出発点に課題を生み出し,災害対応力の向上に目標を掲げて取り組む仕組みが必要ではないでしょうか。本市としても地域の災害対応力をきめ細かく把握でき,各自主防災会で求められている取組も明らかとなり,より的確に指導できることが見込めるからです。また,自主防災組織の指導体制ですが,自主防災会には消防署の隊長,副隊長クラスの防災指導責任者,自主防災部には消防署の隊員が複数担当する体制を採っています。過去の災害を教訓とした自主防災組織の課題として,避難所の開設,運営,要配慮者への支援,情報収集,伝達の在り方などが挙げられ,今後役割はますます重要になってきます。よって,担当する職員の指導力向上も欠かせません。今回の防災行動マニュアルづくりを通じ,自主防災会と自主防災部がより密接に連携し,学区全体として災害時にしっかり行動できるよう,それぞれの組織の役員を市長より委任するなど,本市の工夫に期待することもあわせて申し上げておきます。 以上,自主防災会の災害対応力向上と本市の指導力強化についてのお考えをお伺いします。 結びに,衆議院解散総選挙について申し上げます。アベノミクスで国民の生活は果たして良くなったのでしょうか。物価は上昇するものの賃金は上がらず,国民の多くは生活がますます苦しくなり格差は拡大する一方です。また,安倍政権は特定機密保護法案の強行採決や集団的自衛権容認の閣議決定など,国民不在で強権的な態度を採り続けてきました。今こそ流れを変えるとき。今回の大義なき解散を厳しくただし,我々民主党こそが国民本位の政治を実行し,国民の生活を真の意味で豊かにできる政党であることをしっかりと訴え,それぞれの選挙区で勝利するために,全力で戦うことをお誓い申し上げ代表質問といたします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(中村三之助) 門川市長。 〔門川市長登壇〕
◎市長(門川大作) 山岸たかゆき議員の御質問にお答えいたします。 まず,伏見桃山城の今後の在り方についてでございます。伏見桃山城運動公園は,平成19年4月にオープンして以来,多くの皆様にスポーツを楽しんでいただく場であると同時に,天守閣周囲の庭園ゾーンについては散策などができる憩いの場として,また,各種のイベントや映画撮影のロケ地としても大いに活用されており,単なるスポーツ施設という機能だけでなく,お城のある運動公園として広く市民の方々に親しまれ御利用いただいております。去る9月の伏見・お城まつりに,私も参加させていただきましたが,実行委員会の皆様が,ひた向きに祭りの企画から運営に取り組まれているお姿に感激しました。このことは,正に区民の皆様と区役所がここ数年積み上げてきた,伏見をさかなにざっくばらん,ふしざくの活動などを中心とした市民参加のまちづくりの取組が着実に実を結んだものであると実感いたしました。また,伏見区役所においても地域の皆さんと共に8月に「伏見のシンボル伏見桃山城の50年」と題した写真,パネル展を開催するとともに,9月にはNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の放映にちなみ全国的に有名な民謡「黒田節」誕生の地の駒札を御香宮前に設置し,11月には京都一周トレイル東山コースに伏見・深草ルートを開設して伏見桃山城をルートに組み入れるなど伏見桃山城の魅力を発信する取組を行ってきております。今後も伏見のまちの活性化に資するよう,引き続き今回の伏見・お城まつりのように,お城を見て楽しむイベントを地元の皆様と伏見区役所関係局が連携しながら検討し実施していきたいと考えております。 天守閣の活用に当たりましては,耐震補強工事のみならずエレベーターや電気,水道などの設備整備に多額の経費を要することから,費用対効果を踏まえた活用計画の検討が不可欠であります。この間も,民間事業者から活用策について何件か打診があったところでありますが,現時点では,実現に至っておりません。こうしたことを踏まえまして,今後は更に広く民間から活用策を積極的に募るとともに,全庁的な視点で検討を進めまして,具体的に取りまとめていく中で,最も適切な担当部局を定めてまいりたいと考えております。 次に,市営住宅におけるコミュニティ活性化の取組についてでございます。近年,居住形態や生活様式の変化に伴い,地域住民相互のつながりが希薄になってきた結果,子育てや高齢者の生活の支援,災害時の活動等のために必要な地域コミュニティの活力が低下していっている,これが大きな原因であります。このことから,本市では,京都の宝である地域力,それを支える人間力をいかしてこの課題を解決するため,平成24年4月に地域コミュニティ活性化推進条例を施行し,地域コミュニティサポートセンターの開設など様々な取組を進めてまいりました。とりわけ市営住宅においては,市内平均と比べて少子高齢化が進んできており,コミュニティの弱体化が大きな課題となっております。このため,平成22年3月に策定しました京都市住宅マスタープランに基づき,多様な世代が共に暮らす団地づくりを目指して,子育て世帯の入居収入要件の緩和や優先入居の対象となる子供の範囲の拡大を内容とする制度改正を平成25年度に行い,入居の促進を図ってきております。また,団地の周辺地域との交流を通してコミュニティの活性化を図るために,団地の集会所を活用した団地内外の子育て世代や高齢者の交流促進にも取り組んでまいりました。さらに,この度,大学での講義だけでなく地域活動を通じて学生を育てていくという理念に基づき,地域貢献に極めて積極的に取り組んでおられる京都橘大学が本市と連携して,伏見区の醍醐中山市営住宅の自治会と共に地域自治活動を推進するという全国初の取組を開始できる運びとなりました。この取組は,醍醐中山市営住宅の実情と特性をいかし,地地コミュニティの活性化,市営住宅ストックの有効活用だけでなく,京都の強みである大学のまち,学生のまちという視点を加え,それらの政策の融合により推進するものであります。こうした取組については,全市の市営住宅の全世帯に配付している公営住宅ニュースで広く紹介し,各団地の自治活動の参考にしていただくとともに,活動の推進,充実に有効な手立てについて,自治会と一緒に考えてまいります。さらに,現在進めている住宅マスタープランの中間見直しにおきましても,その検証をしっかりと行い,熱心な自治会活動を支援する仕組みづくりなど新たな施策についても検討を重ね,市営住宅のコミュニティの一層の活性化に向けて取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。
○議長(中村三之助) 小笠原副市長。 〔小笠原副市長登壇〕
◎副市長(小笠原憲一) 自主防災会の災害対応力向上と京都市の指導力強化についてでございます。災害対応力の向上につきましては,阪神・淡路大震災を教訓に,町内版の防災計画である身近な地域の市民防災行動計画づくりを推進し,市内ほぼ100パーセントの自主防災部で策定が完了し,地域の集合場所での安否確認,あるいは避難誘導などについて一定の成果を挙げてまいりました。しかし,昨年の台風18号における市民の避難行動を検証した結果,より広域的に学区単位で設置いただいている自主防災会の防災計画の必要性が認められたため,地震,水災害,あるいは土砂災害の災害種別ごとの行動手順や,事前に備えておくべき事項について定めた防災行動マニュアルの策定について現在検討を進めております。山岸議員御指摘のとおり,自主防災会ごとの防災行動マニュアルを策定するに当たり,当該学区の災害対応力の現状を客観的に評価し認識していただくことは非常に有効であると考えております。具体的には,災害発生時にどこへ,どのルートで避難するのかといった避難体制や,消防,区役所からの災害情報をどのように住民に伝達するのかといった情報伝達体制などがどの程度策定できているのかを確認できるチェックシートを導入してまいります。これにより,自主防災会自らが災害対応力を把握し,弱いと判明した部分の充実,強化を図り,また消防職員がその部分を的確に指導することで自主防災会の災害対応力の向上を図ってまいります。本市の指導力強化につきましては,大学のまち・京都の特性をいかしまして,様々な災害に関する大学における研究者を講師に迎えた防災研修,さらには防災クロスロードやDIGと言われる災害図上訓練など効果的な市民指導の手法を習得するための職員研修を大学の専門家などと共に実施しておりまして,引き続き内容を充実させてまいります。近年多様化する自然災害への対応に当たりましては,避難所運営や要配慮者への支援など地域コミュニティに根差した自主防災会の役割がますます重要になってきておりまして,引き続き,消防局,区役所,あるいは関係機関と連携の下に職員の指導力の強化に努め,いざというときに自ら考えて行動できる自主防災会組織づくりを推進してまいります。以上でございます。